2017年8月19日 (土)

「国土のグランドデザイン2050 ~対流促進型国土の形成~」日本はせっかくの火山国ですが、アイスランドの100分の1の地熱発電です。全国の発電量の0.3%しか賄ってないのはもったいない

トータルで言うと、約52万kWの発電規模、年間の発電電力量は2,559GWh(2015年度)の規模です(JOGMEC)。これで日本の電力需要の約0.3%といいますから、アイルランドと同様の30%を確保するためには、現在の100倍の発電所を設営すれば良いことになります。日本最大の地熱発電所が大分県の八丁原発電所で、11万2,000kWの規模ですので5200万kwの発電規模を確保するためには大分と同じ規模の発電所を460カ所作ることになります。全国の火山フロントに沿って並べていけばさしたる数ではないように思えます。例えば1基のコストがFITの初期関連情報から1.5万kW以上の発電所だと建設費が79万円/kWとされていますが、条件次第では20万円/kWというのも耳にします。コストが下がれば市場は拡大します。また日本での有望な資源量は400万kWという情報もありますので、まずはその範囲でという想定もできます。ただし、地熱発電の技術革新や市場が開拓されればさらに価格も下がり、30%を賄うためには残りの5,148万kWを建設する環境やコストも大幅に低減されると思います。

現在、北海道には1箇所しかなくまだまだ発電所建設が可能ですし本州でも開発余地はありそうです。人口が減少していく日本においては、そんな地熱発電に希望を託すことが可能だと考えます。FIT解禁に当たって国が地熱発電の普及が進まなかった理由を述べています。

・地下資源特有のハイリスクでありながら、公共料金である電力事業というローリターンの事業であるため、地熱発電所に蒸気を供給する資源開発事業者の再投資意欲が低かった。

・電気事業者にとっては、長い期間で計算すると低コストであり、安定電源であるメリットが有るものの、原発や火力に比べて小規模で分散型の電源を開発するメリットが小さかった。

・温泉事業者の団体による地熱発電に対する反対運動が起こった。

・優勢な地熱資源が埋蔵される自然公園特別地域内は調査が許可されていなかった。

・環境影響評価に4年も掛かるなど、開発に至るリードタイムが10年を超えるので、短期の成果を求める民間企業にとっては優先度が低かった。

・90年代後半に、国の電源開発の方針の変更に伴い、地熱発電を支援する予算が減少した。

・従って、21世紀に入って新規の地熱発電所建設が無かった。

改めて思うのですが、国の政策が原発にシフトした時に、地熱にシフトしていれば投資はスムーズに行ったしリスクは回避できたはず。今更ながら日本のエネルギー政策の判断ミスに悔しさを覚えるのは私だけではないはず。人口がまだまだ増えていたオイルショックの時代には地産地消よりも大規模発電が求められていました。それが原発となり今日まで続いてきたのですが、実はそれに続くニクソンショックで為替レートが自由化された途端、日本の貿易構造は変わっていきました。一挙に製造部門が海外にシフトしていきます。次第に電力使用量の伸びはゆっくりとなり、そしてバブル景気をピークに低迷していきます。日本の電力使用量のマックスを示したのです。それ移行は下降気味です。

今後、日本の人口は減少します。その中では地熱発電が主要な電力供給源となると日本のエネルギー転換は可能です。ゆっくりと着実に原発を廃止しながらでも大丈夫です。極めて日本的で安全安心で、しかもトイレのない原発と違って後処理は殆どないのです。安心安全なエネルギー源に再チャレンジしたいと思うのです。

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2012年10月 7日 (日)

気候変動:またまた南に熱帯低気圧が発生している

台風20号で終わりかと思っていたのだが、再びフィリピンの東に熱帯低気圧が発生している。これが成長すると台風になりそうな気配だ。予報では次第に拡大しているということなので、まもなく台風になると思われる。台風とは最大風速(10分間平均)がおよそ17m/s(34ノット,風力8)以上のものを「台風」と呼ぶそうだから、明日の6時の予報が中心気圧 998hPa中心付近の最大風速18m/s(35kt)となっているので、明日にはれっきとした台風21号になりそうだ。そうなると今年21番目の台風となる。

昨年が21回なので漸く並ぶことになるが、昨年は12月に最後の台風が来ているので、それを考えるとまだ発生する可能性があるということになる。実際、南の海上が温かいと、その可能性は高いわけだし、日本の南側の海域の表面海水温度が下がらなければ、日本への襲来も可能性が高いことになる。もちろん偏西風の動きなどに左右されるとしても、偏西風は蛇行傾向にあるから、まだまだ安心はできないようだ。昨年の10月発生の台風も12月の台風も日本への影響は無かったものの、今年の10月発生の二つの台風は日本国土に被害をもたらした。だとするとまだまだ日本を襲う台風は発生する可能性があるのではないかと思うのだが、少し南の海上に注視したい。

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2012年9月10日 (月)

人口変動:『東京は郊外から消えていく!』というが

『東京は郊外から消えていく! 首都圏高齢化・未婚化・空き家地図』 三浦展著(光文社新書) が2012年8月20日に初版が出て、早々と9月5日に2刷が出ていたので、気になって買ってみた。

まず、この表題が気に掛かったので本文の解釈の前に整理してみよう。

表題によると『東京の郊外は』と断っていることは、あくまでも『東京』という位置関係であり、大阪ではないし名古屋でもない。ましてや博多や札幌でもないということ。そして『東京都』ではないことから『東京圏』を指していて、『関東』までは行かないが『郊外』は首都近郊を指していると受け止めておこう。つまり都心への通勤圏という捉え方で良いだろう。

次ぎに『消えていく』というフレーズである。消えていく為には、その前に何かがあるという前提であり、その存在は『市街地』と捕らえるか『住宅地』と捕らえるか『工業地』や『商業地』という捉え方も出来よう。そこで三浦氏の郊外の捉え方に偏見が有ると気付く。都市の郊外には『農地』も有るし山谷もある。それも列記とした郊外であり、ましてや田園都市の未来を描いたレッチワースでさえ、「都市と田園の結婚」を解いた訳だから、全く郊外が消えてしまう訳はない。どうも三浦氏の思いこみは都心に人を運んだ『住宅市街地』を言っているように思う。そう考えると、はたして郊外が消えていくことが『郊外の住宅市街地は消える』という表現のほうが正しいと思う。まあ、そんな表題からの読み取りで、本の中に入っていくとしよう。

冒頭に目次があるが、「第1章 あなたの街がゴーストタウンになる」から始まる。そして「第6章 郊外をゴールドタウンとする方法」と結ぶから、結局は脅かしておいて最後に勇気づける方法という常套手段で結んでいるが、マーケティングのプロらしく、迷わず団塊世代と団塊ジュニア、さらにその子の世代をターゲットに全体の傾向で分析を加えている。

つまり、現状のままだと「ゴーストタウン」に進むのだが、やり方次第では「ゴールドタウン」、つまり単純に訳すと「黄金の街」になるという。ゴロ合わせの表現だから、ちょっと単純すぎで笑ってしまうが、本屋の店先でついつい手にしてしまう内容であることは、この増刷のスピードで納得する。

購入者は実は団塊世代の男性。郊外を生み育てた責任者で、定年退職後の時間余りの辛うじて年金をもらえそうな大消費者。それを狙い撃ちの本である。まんまと乗せられたのも私だし、恐らく同世代のおじさん達が買っているに違いない。こんな本、女性は買わない。たぶん読みたくもないだろう。あなたが理屈っぽい団塊おじさんならば、本屋の店先で買う本として手に取ってみてもいいかもしれない。決して図書館にリクエストするなんてケチな発想はしないで、ちゃんと買うことが必要。経済循環が次の世代を育てるのだから・・・。

内容についてのコメントは今後も続く・・・。

2012年9月 9日 (日)

エネルギーシフト:今年の熱中症と松茸はまだか

今年も暑かった。9月に入ってもまだまだ暑い日が続いていて、日差しが強いし気持ちが落ち着かない。そして熱中症も続いている。今年の暑さは7月の半ばから厳しくなった。そして8月の猛暑。熱中症も暑い時期に集中することで、気温と比例して増えていった。9月が始まっているが、データとしては公表されていないが、この様子では9月一杯は熱中症の心配から開放されそうもない状況だ。本来9月は秋だった。それが今は夏。八百屋に松茸が並ばないのは暑さの性かと、季節の変わり目の待ちどうしさを感じる。もちろん食卓に並ぶのは外国産なのだが、それも遅い。

ネットを見ているとブータンで採れた松茸の写真が出ていた。ブータンでは日本よりも早く松茸が採れるということで、8月7日のブログに掲載されていたのだが、美味しそうな松茸。それから1ヶ月も過ぎていて、日本での松茸はまだか?

日本の松茸は9月の残暑の有無で収穫量も決まるそうだ。暑すぎると松茸がタイミングよく出られないという。今年はどうも期待できそうにないようだ。この様子だと、9月はまだまだ真夏日が続きそうだし、35℃以上の猛暑日だって有りそうな気配。猛暑は熱中症だけではなく松茸にも影響を与え、日本人の食の楽しみも奪ってしまう。実に悲しいではないか。

子供の頃には母親が近くの山に行って松茸を採ってきていた。朝露に濡れる赤松の山に入って採ってきた松茸は香ばしい。七輪の炭火に焼き網を載せ、松茸を薄く割いて焼く匂いが良い。少し焦げた松茸を箸で拾い上げ、醤油につけて「ジュッ」と湯気が出る所を頰張る。香りと味とが融和して鼻に抜ける。子供心に美味しいと感じていた。その松茸が猛暑のせいで採れなくなる。

地球温暖化は米所を新潟や秋田から北海道に変えつつあるという。気温上昇と共に北に産地が上がると、広大な大地に黄金色の田畑が広がるように成っているという。だから九州など南の産地は新米が本格的になる前に出そうと、季節を先取りした早場米が主力になる。今、店頭に出ている早場米の新米は南から始まってきた。今は千葉県や茨城産が出回っている。元々、南の地方では二期作が当たり前で、年間を通して2回の米作をやっていた。しかし、減反や農業就労者の減少で米作にメリットを感じない環境が広がり「できるけどやらない」状況になってしまった。

今後、世界は食糧危機に進んでいくが、コメに関しての余力はありそうだ。しかし、松茸ご飯の食べられないのは寂しい。炊き込みご飯の優は松茸で、次に栗ご飯が入る。何れも秋の味覚だ。そんな日本人の季節感が、このまま行くと子供たちは気づかせないで過ごしてしまうかもしれない。おいしいものは日本の文化。その味合いを後世に伝える為にも気候変動を抑制させようではありませんか。そのキーワードは「再生可能エネルギー」の利用の拡大。熱を無駄にしないエネルギー循環を広めよう。

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2012年4月 5日 (木)

団地再生:マンションの価値を上げる

賃貸マンションは古くなると内装を一変して時代のニーズに合わせると集客が楽になる。だから思い切ってリファイン建築の第一人者、建築家青木茂氏の門を叩いて改築を依頼する。先日も機会があって氏の作品を見せていただいた例に、外観はほとんど変えないで、古い和風の間取りがデザイナーズマンションに変わり、空き住戸がなくなったという事例の紹介を受けたが、賃貸マンションは入居者が命。家賃をいくら下げても市場が冷え始めた中では、むしろ良い物が選ばれていく。だからこそバージョンアップをして市場に打って出ないと成果は得られないというのがビジネスの鉄則。

一方、分譲マンションは別。個々の内装部分は区分所有者の意思で変更できるが、共用部分は古くなればデザイン的にも陳腐化する。それを改善する意識は個々にはあれども全体で合意することなどできないと思うから言葉に出さずに、嫌ならば転売して退去するという行動に出る。しかし本当は育てたコミュニティを守りながら住み続けていたい。それが本音なのだが、マンションはカッコ悪くなり、来客を迎えるにもわびしいので、玄関が立派な最近のマンションに移りたいなどと、つい考えてしまうのが普通。そこで登場するのが分譲型リフアイン建築のまとめ役の建築家が登場する。賃貸はダイレクトに建築家に依頼すればできるが分譲マンションはそうは行かない。まずは管理組合で合意形成をしなければならない。そこが大きなハードルだ。

外装を一掃することと居住性をアップするために外断熱改修をしようと考える場合、誰かの発意で合意を広げていく必要がある。その前に「何をするか」から始めなければならないし、何ができるかを知る必要もある。こうした時に登場するのがコミュニティ・アーキテクトの存在である。役割はコミュニティに潜むニーズを汲み上げ、現実の事業化まで運んでいく管理組合のアシスタントである。コミュニティをまとめ上げるにはエネルギーがいる。多くの場合、熱血漢の理事長が頑張って成果を得るケースが多いが、実はそれだけでは前に進まない。それ相応の専門家の助言や助けを得た調整も必要になってくる。例えば行政との交渉ごとや建築審査機関との協議、あるいは都市計画に関わることや近隣との調整など、マンションの改善一つとっても素人判断が難しい場面が発生する。そこを支援するのがコミュニティ・アーキテクトの役割だ。

現在、日本ではコミュニティ・アーキテクトを名乗る建築家はまだ少ない。ただ、建築設計業務そのものに近隣対策や権利者との協議なども入っている場合も多いことから、建築家の中には日常的に訓練されているケースも多い。とりわけコーポラティブ住宅などに関わる建築家にはその素養が育まれている。従ってマンションの価値を上げたいと思った時にはコミュニティ・アーキテクトに相談するのがいい。

まるで宣伝になってしまったようだが、私もコミュニティ・アーキテクトを名乗っている。以下は弊社のホームページであるが、これまでの悪戦苦闘の仕事の数々とその思いも書き連ねているのでご覧アレ。

http://www.akimoto.com/

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